沙 舞 梨 奈

Sa Bu Ri Na

いたわる

12/2はマイマザーの誕生日だったのでケーキを一緒に食べたかったけど、仕事が忙しくて実家に帰れなかった。

今日も残業してくたびれたけど明日休みだし!と力を振り絞って閉店間際のキルフェボンに駆け込み、ケーキ3つ買って実家に帰った。すると偶然おじいちゃんおばあちゃん&おばさんが遊びに来ていて、手に持ってたキルフェボンの袋をさっと背中に隠した。コロナもあっておじいちゃんおばあちゃんと会うのを控えてたから、かなり久しぶりに会った、久しぶりに会ったみんなはとても笑顔で、そしてとても歳を取っていた。自分がいつのまにかもうこんな歳なんだなあとぼんやりすると同時に、周りの大人たちも歳を重ねている。わたしは頭の中で、自分が学生だった頃くらいのおじいちゃんおばあちゃん&おばさんたちのままイメージを固定してしまっているようで、実際の姿を見るたびに、びっくりしてしまう。びっくりのあとは悲しみが襲ってきて泣きたくなる。おじいちゃんおばあちゃんに限らず、母も父もそう。悲しみを感じながら、平常心を装って楽しく話すけど、やっぱり根本が悲しい。こんなに悲しいのに、普段わたしはそんなにみんなのことを考えてない、自分のことしか考えていないんだってことに気づいてまた悲しくなる。

シャンソンが好きなおばあちゃんがアレクサを使って「ラストダンスは私に」を歌ってくれた。わたしはこの歌がとても好きで、おばあちゃんが歌ってくれたことめちゃくちゃ感動して動画を撮った。かわいかった。この時間が続けばいいと思った。ほんとにみんなどうか健康で、長生きしてほしい。

おばあちゃんたちが帰った後、母父わたしでケーキを食べた。母がめずらしく、ソファの前に置くちょっとしたテーブルが欲しいと語っていた。欲しいものを手に入れて欲しい、欲のまま楽しくのびのびと生きて欲しい、長生きして欲しいと心から思った。

何才になったの?と母に聞くと、「58だよ。労ってね」と言われた。労りの催促入りました。